2024.04.15

廃炉を研究するドイツ・アメリカの研究者・大学院生が、物質計測制御研究室(坂本教授)を訪問

坂本教授の研究は、2021年に日本原子力研究開発機構(JAEA)の委託研究事業「英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業」の課題解決型廃炉研究プログラムに採択され、福島第一原発における炉内の物質を画像から分析する技術としてレーザー共鳴イオン化分析装置を開発しています。一行は、同日午前中に坂本教授による講演を聴講し、午後は本学開発装置を見学しました。

レーザー共鳴イオン化と呼ばれる映像化技術を本格的に開発している研究チームは、ドイツ(マインツ大、ハノーファ大)、アメリカ(ローレンスリバモア国立研究所)、そして工学院大学を中心とする日本の3拠点しかありません。ドイツ、アメリカの開発拠点はチェルノブイリ事故の分析や、核実験の監視等の目的で類似の技術を開発しており、一歩進んだ坂本教授の開発成果は世界が注目しています。

坂本教授コメント
昨年4月にはハノーファー大学からの学生を受け入れましたが(物質計測制御研究室(応用物理学科)が、ハノーファー大学の博士課程学生を迎え学術交流)、今回は3拠点の主要メンバーが八王子に集い、有意義な国際交流ができました。一行は福島市や名古屋大学も見学したものの、来日初日の訪問先が本学でしたので、日本におけるレーザー共鳴イオン化研究の唯一の拠点であることは強く認知されたと思います。

森田助教コメント
レーザー共鳴イオン化は複雑な混合物に対して前処理なしで精密に同位体比を計測することができる唯一の方法です。廃炉や宇宙の分野で重要な役割を担っております。しかしながら、レーザーの調整等が極めて難しく実用性という部分で課題を持つ技術です。この数年間、坂本教授と協力し、廃炉や宇宙での実用的な分析を目標に開発を進めてきました。この度、重要な研究拠点として我々の研究・技術力の高さを世界に認めてもらえたこと光栄に思います。

【大学公式HP】

https://www.kogakuin.ac.jp/news/2024/041001.html

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