結晶成長研究室
- 山口 智広 教授
次世代社会基盤を担う可視光デバイスの結晶成長と製作
本研究室では、原子レベルで周期的に並ぶ半導体結晶を製作する新しい結晶成長手法を開拓します。また、半導体結晶を製作している間、電子線やX線による結晶での回折などの物理現象をモニタリングすることにより、どのようにすれば量子効果が発現される高品質結晶が実現できるかを探究しています。また、照明やディスプレイに加え、可視光通信(Li-Fi)や可視光給電(OWPT)などの次世代社会基盤を担うことが期待される多機能可視光デバイスの材料として、研究で得られた結晶を活用できるかを検証しています。
また、最近の事例では、研究テーマの1つとして、様々な半導体材料についてミストを活用した高品質半導体結晶成長手法の理解と開拓に学生とともに取り組んでいます。なぜこんなに簡単な結晶成長装置で高品質結晶が実現できるのか?その謎を解き明かすため、一歩一歩着実に研究を進めています。
研究室での活動内容は毎週のゼミの他、中間発表会を年2回行っています。スポーツレクリエーションや親睦会を行うこともあります。また、研究室学生とともに親子LED教室など社会貢献活動も積極的に行っています。
本研究室の特徴は、国内外を問わない学会・研究会への積極的な参加・発表や、他機関との共同研究・研究交流、外部機関での研究経験を促していることです。私自身の経験も踏まえ、海外からの留学生たちとの交流を通して、国際的な視点も養ってもらいたいと思っています。
研究室所属学生メッセージ
山本 拓実(修士1年)
半導体の研究に携わることで社会の発展に貢献したいと考えていたため、その製作技術や応用方法などの検討を行う本研究室を志望しました。私の研究テーマは「Mist CVD法による酸化物半導体薄膜における成膜メカニズムの検討」です。この手法は半導体を安価に成膜できる手法である反面、歴史的背景が短いため成長メカニズムに関する報告が少ない手法でした。そのような状況において原料溶液中で特異な反応の発生を発見できたのは、本研究室特有の学生の主体性を尊重する雰囲気で、新たな視点で研究を行えたためです。今後はこの結果を踏まえ、高品質な半導体薄膜を再現性よく成膜することを目的に、成膜メカニズムの検討を行っていきます。