宇宙・極限環境材料研究室
- 屋山 巴 准教授
宇宙・極限環境下での運用に耐える高機能材料に理論計算の面からアプローチする
人工衛星などの宇宙空間に置かれた機器類は、放射線や極端な気温差といった過酷な環境の中で運用されます。さらに宇宙でのミッションには、高効率な太陽電池材料や軽くて強い複合構造材料など、高い性能を持つあらゆる材料が必要です。当研究室ではミクロスケールの計算手法を用いて、宇宙・極限環境で利用可能な高機能材料に関する研究を行っています。特に、第一原理計算という量子力学に基づいて電子状態を計算する方法を軸に、実験的には観測することが難しい、物質間の化学結合の様子などを調べています。当研究室は理論計算手法を用いた研究を行っているため、基礎理論を身に付けることを重視しています。モノづくりは専門分野ではありませんが、モノづくりする人たちに根拠ある指針を提示していくことが私たちの研究の役割だと考えています。
研究室に配属される4年次の初期は、研究手法の習得に注力します。LinuxというOSを搭載した計算機の取り扱いを身に付けるほか、第一原理計算や分子動力学手法の計算プログラムを扱えるようになります。自分で計算を進められるようになってからは、1人1テーマで、それぞれの研究を進めるスタイルです。研究室全体で行う毎週1回の全体ゼミで研究の状況を報告し、お互いにアドバイスしたり、学びを得たりする機会もあります。
3年次後期のセミナーCでは、研究手法の理論的背景となる量子力学の輪講も行っていますので、興味がある方はぜひ受講してみてください。
研究室所属学生メッセージ
平石 剣舞(M1)
もともと宇宙や複合材料に関心があったためこの研究室の研究に興味を持ち、配属先として希望しました。現在は、宇宙用構造材料となるCNT/エポキシ複合材料の微視的な構造解析の研究を行っています。研究を始めたばかりの頃は何もわからない状態でしたが、研究室以外でも疑問点を先生が一緒に考えてくださるほか、研究室の先輩方も非常に親切に接してくれました。このようなところがこの研究室の魅力であると考えています。今後も今の研究を続けていき、納得した結果が得られるように励みたいと思います。来年度からは、自分が先輩方にしてもらったように、後輩たちに優しく接するよう頑張りたいです。