固体物性研究室
- 尾沼 猛儀 教授
新しい半導体から無数の可能性が広がる未来を目指す
ワイドギャップ半導体と呼ばれる新しい材料に注目し、結晶作りから物性評価、デバイス応用まで一貫した研究・開発を行っています。深紫外LEDやレーザーなどの光デバイスは、ウィルスの消毒・殺菌、半導体露光装置(微細加工)、光化学などに応用されます。また、パワーデバイスは、直流を交流に変換するインバーター制御に欠かせないデバイスとして、家電や電気自動車、太陽電池や風力発電などの再生可能エネルギー、IoT、AI、量子コンピューター技術の基幹を成すことになります。
光エレクトロニクスの代表ともいえるLED照明は第4世代のあかりとして、省エネルギーに貢献しています。パワーエレクトロニクスは電力の変換や制御の基幹となる技術として、省エネルギーに貢献しています。研究を通じ、固体物性に関する学理を探求すると同時に、地球環境を守る技術に貢献することを目指しています。
週1回の研究室ゼミで、1週間で得られた成果を1つ報告してもらいます。成果をあげることができれば、残り時間は自由です。夏休みにゼミ合宿を行います。研究成果は、国内、国外での学会で発表します。1つの成果とは何でしょう?どのような成果をあげれば良いかを理解するには、研究の背景・目的を理解し、結果を導くための方法を、その時々で判断し、得られた結果を考察する洞察力が必要になります。1つの成果をあげることができるように、週1回の研究室ゼミで状況を見極め、次に有効な一手が打てるように工夫しています。
研究室所属学生メッセージ
秋葉 隆行(4年)
私が本研究室を選んだ理由は、ダイオードなど半導体デバイスの製作まで研究を行うことができるためです。尾沼先生は学生の意見を尊重した上でアドバイスをくださるため、自分のペースで研究できます。
現在は、次世代半導体材料の1つである「β-Ga2O3(ベータ型酸化ガリウム)」を用いたダイオード製作の検討を行っています。電気自動車や新幹線などに応用される大電力を扱う半導体デバイスの材料はシリコンが主流ですが、その高性能化は限界を迎えており、デバイスサイズを小さくし、より大電力を低損失で扱えるβ-Ga2O3を用いた半導体デバイス(主にダイオード)に注目が集まっています。今後はβ-Ga2O3を用いたダイオードを試作し、その特性を評価していく予定です。